◆「健康献立の型」重要な概念
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「半々和食」の献立は、一汁三菜を基本にしていますが、一般的な一汁三菜と概念が異なります。
昔から伝えられている一汁三菜というのは、千利休が始めたと言われる懐石料理が元になっています。
少しだけ懐石料理の由来をお話させて頂くと…
なぜ「懐石」という名が付いたのか? |
昔からお坊さんたちは少食ですから、常に空腹…
その空腹をしのぐために懐に温石を入れていたと言われています。
温石は温めた石ですね。
カラダを温めると空腹が和らぐ効果があったようです。
で、お坊さんたちが食べる食事って基本的に野菜メインのごはん・汁物・野菜3品の「一汁三菜」です。
その繋がりから「一汁三菜」=「懐石料理」となったと言われています。
本来は、「懐石」という言葉だけで料理を意味するそうですね。
元々、千利休が考案した懐石は、お茶の会で来客にもてなす料理(茶懐石)のことだったので、
料理屋さんが一般的に出す「懐石」と「茶懐石」を分けるために料理屋さんの一般的な懐石のほうを「懐石料理」と呼ぶようになった、
ということです。
メイン料理の無い献立!? |
現在の一般的な一汁三菜は、
主食にごはんや麺、汁物に味噌汁・お吸い物、主菜というメインのおかず料理があって、他に副菜が2~3品、
という形ですが、
「半々和食」は主食・汁物は同じですが、「主菜」というものがありません。
「三菜」は全部おかずであり、副菜でもあるという考え方です。
メインはないのですね。
和食店のランチで小鉢がたくさん並んだお膳の定食があったりしますが、
「半々和食」の献立はそのような小鉢がたくさんの献立というイメージを持って頂けると分かりやすいと思います。
ですから、主食・汁物・壱の菜・弐の菜・参の菜という献立になります。
なぜ「主菜」を作らないのか? |
現代食の主菜というのはほとんどが肉・魚の料理。
メインのおかずということで、使う食材自体が大きく、たんぱく質、脂質の量が多くなります。
このたんぱく質・脂質の量が多い食事は消化に負担をかけます。
講座でもお伝えしていますが、特にその2つは消化されにくいわけです。
その割合が多くなれば全体的な消化の負担も大きくなる。
反対にその食材の重量を少なくすれば、たんぱく質・脂質の量も減るでので、若干ですが消化の負担も減ります。
肉・魚を少ない量にしておけば、他の「菜」(生食・発酵食)から摂れる酵素で十分な消化補助ができるわけです…
「たんぱく質が少ないのでは?」 |
「肉・魚の主菜がなく少なかったら、たんぱく質が足りないのでは?」
というご心配があるかもしれません。
が、たんぱく質は肉魚だけでなく「豆類」からもたくさん摂取できます。
さらにどんな野菜にも微量ですが「たんぱく質」が含まれます。
現代人は、様々な健康情報から「たんぱく質を摂りましょう」と洗脳され過ぎて、どちらかというとたんぱく質を摂り過ぎているのですね。
みんながみんなボディビルダーではありませんから、普通の生活の人なら豆類と野菜の摂取だけで十分なたんぱく質が摂れます。
それで十分なのです。
実際そういう「野菜のみ」の食生活の人でもたんぱく質不足、栄養不足になることはほとんどありません。
反対にガンが完治するなどメリットのほうが多いわけです。
酵素栄養学を学んだ私としては、現代に広まっている「たんぱく質推進論」は、間違っていると信じています。
食の豊富な日本で、なぜガンの発症が減らないのでしょうか?
たんぱく質も関係あると言われています(種類によって)…
「加熱食」と「生食&発酵食」のバランスが分かりやすい! |
ということで、「半々和食」の健康献立は、
肉・魚の料理でも他の「菜」と同量になるようにあえて「主菜」を設定しないようにしています。
献立のイメージは、
「メインの料理が無くて小鉢がたくさん並んでいる」という感じ。
ですから、例えば、
「壱の菜」が焼き魚なら小さい鯖の切身を小皿に1切れ、
「弐の菜」は野菜の酢の物の小鉢、
「参の菜」は発酵食で納豆を少量、など…
もし酵素が少ないと感じたら、もう一品「四の菜」を加えても良いと思います。
よく発酵したお漬物などを追加すれば、たっぷりの酵素がプラスされます…
このように1つ突出した「主食」を作らないことで、
酵素を含む料理と酵素を含まない料理とでバランスが摂りやすくなる、
ということですね。
「加熱食」と「生食&発酵食」を半々にして料理を組みやすくし、酵素食が多くなる献立にすることが出来ます。
ただ、サラダに関しては、生野菜なのでどうしても全体量が多くなる。
そうすると献立の中で見た目がメイン的な存在になるかもしれないですね。
次項で、「半々和食」の「基本の型」をお伝えします。
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